大和撫子特有のシャイさの雲散霧消

「破廉恥だ」私は思わず喫茶店で、声に出してしまった。

再び、声に出しそうになりながら、はたして破廉恥の使い方ってあっているのか自信がない。ひょっとしたら、変態の類義語であったかもと思考が巡ってしまった。兎にも角にも検索を試みる。


はれんち【破廉恥】


( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
人として恥ずべきことを平気ですること。人倫・道義に反すること。また、そのさま。恥知らず。 「 -な人間」 「 -極まりないふるまい」
出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報


そうそう、私が想定していた通りの意味だ。
そして安心して「破廉恥だ」と声に出す。

喫茶店にて、私の向かいに座った女性が、おもむろにスマホを掴んだ手を天にかざし始めたのだ。何事かと思い、彼女の行動の所以を推測せんとす。

例えば、ガラケーの時代であれば、電波を可能な限り拾おうとする健気な女性として認識していたであろう。そんな彼女の姿を見たら、私なら「電波を拾うのをお手伝いしますよ」と極めて紳士的に話しかけ、彼女のケータイを天に一ミリでも近づけるべく、喫茶店の机によじ登っていたであろう。

今となっては、スマホの時代。おそらく彼女がスマホでやろうとしていたことは『自撮り』だ。SNSに喫茶店で勉強頑張っています☺と画像編集の後、投稿するのであろう。
その写真にクレジットを付与するならば

モデル:自分
 撮影:自分
 企画:自分 
 編集:自分

自作自演が甚だしい。
私は、自意識過剰なところがあるので、こういった自作自演行為は恥ずべき行為だと思ってしまう。

公衆の面前で自撮りを試みること、それをSNSに投稿すること、可愛く盛って男をたぶらかさそうとしていること。
この三点を持って、私は彼女を破廉恥だと断罪したのだ。

大和撫子特有のシャイさはどこに消え失せたのであろうか