高校の同級生を見かけた。
目があったので、話しかけられるのかと思ったが、街の喧騒に消えていった。
私のことを認識して、消えっていったのか、そもそも他人の空似だったのかもしれない。
その同級生が、ブスだったので、私の方から話しかけようともしなかった。
高校時代、そこまで仲が良かったわけではないが、面識はあったので話すことはあった。
高校時代のことが思い出せれる。
ブスに対する思春期の男子による命名は、容赦がない。
私の記憶が定かであれば、遊戯王の無敵のカードから名付けられていた。
私は、ブスのことをブスと呼ぶのは無粋だと思い、ブスをオーパーツと自分の中で呼ぶことにしている。オーパーツとは、それが見つけられた場所や時代とが全くそぐわず、なぜその時代に存在するのかが謎とされている物の総称だ。
記憶の中のブスと先ほど街で見かけたブスとを比較してみると、明らかにオーパーツ感が薄れている。具体的に言うと、しゃくれていたアゴが、なくなっているのだ。
そのしゃくれを見た修学旅行中の小学生が「アントニオ猪木」と連呼した、と言う噂も聞いたことがあった。
ひょっとしたら外科的処置を得て代名詞とも言えたアゴを削ったのかもしれない。
そんな背景を想像しながらも、時の流れを感じる。